サンクスギビング・デー 感謝祭


11月になると商業施設のイベントなどで「感謝祭」という言葉を目にするかと思いますが、皆さんは「感謝祭 サンクスギビング・デー」についてどのくらいご存知でしょうか?「感謝祭はクリスマスのプレイベント?」とか「勤労感謝の日と関係がある?」という疑問を持っている方もいるのではないでしょうか、今回はこのサンクスギビング・デーについてご紹介します。
自然やネイティブ・アメリカンへの感謝が起源
サンクスギビング・デーは11月第4木曜日にアメリカ合衆国の祝日として定められています。その起源は1621年にプリマス植民地(マサチューセッツ州)に入植したピルグリム・ファーザーズたちが、慣れない土地での生活で栄養失調や病気に苦しみながら、ネイティブ・アメリカンたちの助けを受けながら、最初のトウモロコシの収穫が成功したことを祝って、七面鳥や鹿肉がふるまわれ3日間にわたって祝宴を催したことに由来しています。
景気回復に貢献したサンクスギビング
ニューイングランド地方(アメリカ北東部)のピューリタン(清教徒)を中心に祝われていた感謝祭は、アメリカ独立後、1789年ワシントン大統領に全国的祝日とされ、リンカーン大統領により11月最終木曜日と定められました。その後、世界恐慌からの景気回復を果たしたニューディール政策期に、ルーズベルト大統領により、クリスマス前の買物景気をあおるために1週間前倒したことで、現在に至っています。

サンクスギビング・デーは家族の日
ニューヨークではこの時期からホリデーシーズンモードになり、街中がサンクスギビングとクリスマス関連の装飾で彩られます。家族や友人との食事会や旅行に出かける人も多く、一年中で最も移動する人も多いのがサンクスギビング・デー前後です。アメリカのセールの代名詞、ブラックフライデーやオンラインのサイバーマンデーも感謝祭の楽しみの一つです。
一方、アメリカ人の大多数の過ごし方は、感謝祭の文字通り、人々や出来事への感謝の気持ちをもって、地方へ離れて暮らしている家族が実家に集まり、感謝祭のディナーを食べる。市や町でもパレードなどで感謝祭を祝う心あたたまるイベントです。

日本のサンクスギビングは「勤労感謝の日」?
アメリカのサンクスギビング・デーにほど近い11月23日は日本の祝日「勤労感謝の日」です。英語では「Labor Thanksgiving Day」と訳されますが、この祝日が制定されたのは、第二次世界大戦後のアメリカの占領中で、労働と生産を記念し、お互いに感謝する機会とされ、意外にもその起源は古代の神道の新嘗祭(にいなめさい)にあったといわれています。新嘗祭もやはり五穀豊穣・収穫を祝う行事ですので、サンクスギビング・デーと似ているといえるのではないでしょうか?

しかし日本の場合、他の祝日と違って、労働者にプレゼントや感謝状を贈るなど、働いている人に感謝の気持ちを表すという程度であまり盛り上がりがない「勤労感謝の日」。ましてや「働き方改革」のご時世、「働き過ぎはブラック」といった風潮にあって、ますます陰の薄い存在になってしまいそうです。いつか「勤労感謝の日」がもっと国民に身近で楽しめる祝日になって、サンクスギビング・デーのようなお祭り的なイベントになってくれたら、景気のV字回復も夢ではないかもしれません。
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