「米回帰」におかずビジネスで商機を見出す
小麦の高騰が日本の食に大きな影響
円安による輸入原料や飼料・肥料コストの増大、原油高や異常気象などの影響で食料価格が高騰しています。その中でもロシアのウクライナ侵攻による小麦の高騰は日本人の食生活に大きな影響を与えています。実際、かつてパン食傾向にあった家庭でも、小麦粉や小麦製品(パン・パスタ)の値上げにより、価格が据え置かれている米に主食をスイッチすることで食費を抑えようという動きが顕著になっていると言われています。(図参照:Oisix調べ)一方で小麦製品の原料を米粉に置き換えたり、干ばつに強い遺伝子組み換え小麦を使用したりと苦戦を強いられています。
*食糧価格が高騰する中、米を食べる機会が増えたファミリー層は7割超え
こうした消費者の米回帰を受けて、味の素は肉や野菜と炒める調味料「Cook Doシリーズ」、エバラ食品工業は「フライパンで焼肉鍋」、日本ハムはチルドタイプの具入りおかず「中華名菜シリーズ」を刷新・強化するなど、大手食品メーカー各社による「ごはんに合うおかず」開発競争は激しさを増しています。
外食から中食、そして内食へ
コロナ禍の巣ごもりトレンドとして「外食」から「中食」へとシフトしてきた食生活も生活費上昇による家計圧迫により終焉を迎えようとしています。そして今後しばらくは、家庭で素材から調理したものを食べる「内食」を選択することで生活を防衛していくことが予測されます。
こうした傾向に食品スーパーや生産者など食に関わる業界はどう活路を見出していけばいいのでしょうか。その答えの一つとして、前述の食品メーカーのように、「内食」とりわけ、ごはんに合うおかず需要にフォーカスし、内食が主流であった昭和初期にまで時代さかのぼり、参考にしながら、新たな「おかずビジネス」に活路を見出していくことが望まれているのではないでしょうか。