<ヒット商品考察> ロングセラー商品
日本人なら誰もが知るロングセラー商品としては、カゴメトマトケチャップ(1908)、カルピス(1919)、グリコ(1922)、キューピーマヨネーズ(1925)、ヤクルト(1935)、ミルキー(1951)、チキンラーメン(1958)、かっぱえびせん(1964)など食料品だけをとっても枚挙にいとまがありません。()内は発売年
長く売れ続ける「ロングセラー商品」にはいくつかの共通点があります。その特徴とは何でしょうか?
1.一見すると「地味」、あえて主張しない
ロングセラー商品は、ある時期に爆発的に売れる流行商品(ベストセラー商品)とは真逆の特徴があります。それは、良さを知っている人が何度も買いに来てくれるから、パッケージでその存在感をあえて主張しないことです。一見すると「地味」ですが、その当たり前な雰囲気がロングセラー商品の存在感とも言えます。
2.シンプルで毎日使える
ロングセラー商品は「いらない機能」がなく、使う人にとって使いたい機能だけが付いています。使いたい機能だけがあるから、使いやすいのです。商品のつくりがシンプルだと飽きが来ず、壊れにくく、毎日の生活に馴染みやすいです。
3.クチコミで良さが伝わる
商品を気に入って長く使い続けていると、その良さを人に話したくなるものです。使っている人の身近な人へとクチコミで良さが伝わり、使う人が増えていきます。
4.リピーターが多い
ロングセラー商品は、何度も購入するリピーターが多いです。商品の機能が効果があり、壊れにくく、長持ちします。使っていて満足感があるからこそ、また買おうという気持ちになり、長く売れ続けます。一時的に売れるかどうかだけでなく、多くの人が使い続ける商品をつくることが大切です。
5.流行を追いかけない
ロングセラー商品は、シンプルな機能で使いやすく、効果があるという独自の存在感があるため、流行を追いかけません。どれだけ流行が変わっても使いやすいことが、いつの時代も多くの人が購入する理由です。
今回は「ロングセラー商品」について考察しました。「長く愛される」という観点で考えれば、モノだけではなく「サービス」ひいては「企業」にも通じることでないでしょうか?
最後に付け加えるならば、ロングセラーとはいえ、そのブランドに甘んじることなく、時代に合わせて改良やアップデートがされている必要があります。消費者のニーズやトレンドに合わせた改良が行われることで、需要を維持し続けることができる、つまり長く愛されることにつながっていくのです。