<ヒット商品考察> いたずらの発想
ヒット商品を生んだり新しいビジネスの種を見つけられる人は、普通の人と何が違っているのでしょうか?今回は「いたずら的発想」をテーマにヒット商品の裏側に潜む話を明らかにしていきます。
いたずらからの発想で生まれたものは、意外性や驚きを伴うことが多く、ユーモアや面白さが特徴的です。例えば、以下のようなものがあります。
フリスビー
今はフライングディスクと呼ばれていますが、世界的に大ヒットした当初は「フリスビー」という商品名が一般的でした。この丸い円盤を投げて遊ぶゲームは、1940年代後半にアメリカ合衆国コネチカット州にあるイエール大学の学生が砂浜でパーティを終え、食べ終えたパイ皿を投げ合って遊んでいたことから始まりました。この遊びに着目し、建築士のウォルター・フレデリック・モリソンが金属製のパイ皿をプラスチック製に改良し、現在の形に近いものにし発売されたと言われています。
スリッパ型ダスター
足に履いて床を歩くだけで、ダスターとして床掃除ができる商品です。スリッパの底面には、マイクロファイバー素材のモップが付いており、歩くことで床を拭き取ることができます。このアイデアは中国の若者が自分たちの部屋を掃除するのが面倒であるという問題を解決するために生まれました。彼らは、自分たちが履いているスリッパの底面にタオルを巻いて、床を拭いていました。それを見た企業家が、アイデアを商品化して、スリッパ型ダスターとして販売することを思いつき、商品化されることとなりました。※中国の若者ではなく韓国の学生であるという説もあります。
PET ROCK(ペットロック)
1975年にアメリカ合衆国のゲイリー・ダリアン氏の石をペットのように扱うというアイデアから生まれた商品です。商品化されたPET ROCKは、紙袋に入った石を販売するというシンプルな形態で、当時のアメリカ合衆国では1個3.95ドルという高価な商品でしたが、多くの人々から支持を受け、短期間で200万個以上が販売される大ヒット商品となりました。
Facemash
Facebookの前身となったWebサイトの1つで、マーク・ザッカーバーグがハーバード大学在学中に開発したものです。Facemashは、大学内の学生たちの顔写真をランダムに表示して、訪問者にそれらの写真を比較して「ホットかノットか」を選択させるものでした。具体的には、Facemashのユーザーは、2枚の顔写真を表示され、その中で美しいと思う方を選択するという形式でした。このサイトは、女性の顔写真を取り上げていたことが問題となり、大きな論争を引き起こしました。そのため、Facemashはわずか1週間で閉鎖されました。しかし、Facemashの開発により、ザッカーバーグはオンライン上で人々がつながりを持つことができるプラットフォームの可能性に目を向け、後にFacebookを創設することになりました。Facemashは、Facebookの創設に直接的な影響を与えたと言われています。
以上のように、いたずらから生まれた発想は、大きなヒット商品になる場合があります。それは、人々の新しい需要や欲求を刺激することができるためであり、また、常識や既存の固定観念を覆すことができるためです。