1. HOME
  2. 更新情報
  3. <ヒット商品考察>「宣伝をしない」宣伝戦略

更新情報

update information

<ヒット商品考察>「宣伝をしない」宣伝戦略

注目される「宣伝をしない」宣伝戦略

「宣伝をしない」宣伝戦略とは、従来の広告や宣伝手法を使わずに製品やサービスを宣伝する手法のことを言います。このような戦略は、消費者に対してより自然で有機的な方法でメッセージを伝えることを目指しています。この「宣伝しない」宣伝戦略で成功している事例をピックアップしてみます。

  1. Appleの新製品発表: Appleは新製品発表会の際、詳細情報を事前にほとんど公開しません。しかしこの情報の少なさが逆に注目を集め、消費者たちは発表会を待ち望むようになります。事前に多くの情報を公開しないことで、製品発表の際にサプライズが生まれ、大きな話題を呼びます。
  2. アニメーション映画『THE FIRST SLAM DUNK』:2022年12月に公開されたこの映画は、事前にあらすじを公開せずに国内興収140億円超えという偉業を成し遂げていますが、声優キャストや全貌を明かさない予告編などを小出しにして期待感を高め、その結果大ヒットしました。

宣伝しない宣伝戦略を成功させる条件

以下は、宣伝しない宣伝戦略を成功させる条件についてのポイントです。

  1. 優れた製品またはサービスの提供: 宣伝しない宣伝戦略は、まず優れた製品やサービスを提供することが必要です。良い品質やユニークな特長を持つ製品は、顧客による口コミや共有を促進しやすくなります。
  2. 顧客満足度の向上: 顧客満足度を高めることは、宣伝しない宣伝戦略の成功に重要です。満足した顧客は、自然な形で友人や家族に製品やサービスを紹介する可能性が高まります。
  3. ワード・オブ・マウス効果の活用: 宣伝しない宣伝戦略では、顧客のワード・オブ・マウス(口コミ)が重要な要素となります。顧客が自発的に製品やサービスを共有し、他の人に推薦することで、効果的に拡散することができます。
  4. ソーシャルメディアとコンテンツマーケティングの活用: ソーシャルメディアプラットフォームやコンテンツマーケティングは、宣伝しない宣伝戦略において非常に役立ちます。興味深いコンテンツを共有し、ターゲットオーディエンスに対して価値を提供することで、共感を呼び起こし、自然な拡散を促進します。
  5. インフルエンサーマーケティングの活用: インフルエンサーを活用することで、製品やサービスをターゲットオーディエンスに効果的に紹介できる場合があります。ただし、インフルエンサーとの協力においても、自然さや信頼性を損なわないように注意する必要があります。
  6. ブランドストーリーの重要性: ブランドストーリーは、宣伝しない宣伝戦略において特に重要です。ブランドが持つ価値観やミッションを明確に伝えることで、顧客との共感を高め、長期的な関係を築くことができます。
  7. 透明性と誠実さ: 宣伝しない宣伝戦略では、透明性と誠実さが不可欠です。顧客とのコミュニケーションにおいて正直であることは信頼を築く上で重要であり、虚偽の情報や誇大広告は避けるべきです。

これらの条件を考慮して、宣伝しない宣伝戦略を戦略的に構築し、成功することが重要です。

最後になりましたが、この夏に公開されたスタジオ・ジブリの最新作にして、宮崎駿監督作品『君たちはどう生きるか』もまた「宣伝をしない」宣伝戦略の代表例です。事前の告知は、’17年10月に新作のタイトルが発表され、昨年’22年12月に公開日が発表されただけ。出演者や主題歌の情報はおろか映画の具体的な内容さえも一切明かされませんでした。公開日が迫ってもチラシも予告編もなければ公式HPもない、上映館でもパンフレットは販売されず、ネットでの後日販売という徹底ぶりです。私たちはマーケティングの世界でどう生きていくべきかを知るためにも、「宣伝をしない」宣伝戦略の成果をしかと見極めたいところです。

最新記事